
早期離職を防ぐ10の対策|主な原因・企業への影響を解説
「採用にコストをかけて確保した人材が、入社してすぐに辞めてしまう」
「早期離職を防ぐために、何から手をつければいいのかわからない」
このような悩みを抱える採用担当者様も多いのではないでしょうか。
早期離職は、採用・教育にかけたコストや時間を無駄にするだけでなく、現場の負担増加や、企業に対する信頼低下といった影響を招く可能性があります。しかし、早期離職が起こる背景には、採用段階から入社後の定着支援まで、さまざまな要因があるのが実情です。
そこで本記事では、早期離職が起こる主な原因、企業への影響、時期別の具体的な対策まで解説します。人材の定着にお悩みの採用担当者様は、ぜひ最後までお読みください。
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早期離職とは?

早期離職とは、入社してから短期間のうちに従業員が離職することです。明確な期間は定められておらず、一般的には入社後の早い段階で退職するケースを指す言葉として使われています。
従業員が早期に離職すると、新たな人材を確保するための採用活動が必要になるほか、教育にかけた時間やコストが無駄になる可能性もあります。また、人員不足によって、既存社員の業務負担が増える点にも注意が必要です。
早期離職を防ぐには、採用時のミスマッチを減らすだけでなく、入社後のフォローや受け入れ体制を整えることも大切です。
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早期離職が起こる主な原因

早期離職は、単一の理由だけで発生するものではなく、複数の要因が重なって生じることが多くあります。ここでは代表的な5つの原因を紹介します。
原因①|仕事内容・配属に関する認識のギャップがある
選考時に伝えられていた仕事内容と、配属された部署での業務内容に差があると、「聞いていた話と違う」という不信感につながります。特に、採用担当者と現場の間で求める役割や業務内容の共有が不十分な場合、こうしたギャップが生まれやすくなります。
例えば、「企画業務が中心だと思っていたが、実際には営業や事務作業が大半だった」といったケースです。仕事内容に問題がなくても、入社前に抱いていたイメージとの差が大きければ、仕事への意欲が低下し、早期離職を考えるきっかけになりかねません。
そのため、求人票や面接では業務内容を具体的に説明し、配属後に任せる可能性がある業務についても、できる限り事前に共有しましょう。
原因②|上司・同僚との関係やコミュニケーションに課題がある
上司や同僚との人間関係も、早期離職につながる原因のひとつです。相談しづらい雰囲気があったり、十分な説明がないまま業務を任されたりすると、中途社員は職場に馴染みにくくなります。
特に入社直後は、業務の進め方や社内ルールなど、わからないことが多い時期です。そのような状況で周囲とのコミュニケーションが不足すると、疑問や悩みを一人で抱え込みやすくなります。
結果として職場での孤立感や不安が強まり、「この会社で働き続けるのは難しい」と判断する可能性があります。上司との1on1やメンター制度などを取り入れ、業務上の疑問や人間関係の悩みを早い段階で相談できる環境を整えることが大切です。
原因③|給与・待遇への期待と実態にギャップがある
入社前に想定していた給与や昇給、賞与などと実際の待遇に差がある場合も、早期離職につながる可能性があります。評価基準や手当、福利厚生などが十分に説明されていない場合も、入社後の不満につながりかねません。
例えば、「成果を出せば早期に昇給できると思っていたものの、実際には勤続年数が重視される」といった認識のずれが考えられます。入社後に初めて制度の実態を知ると、企業に対する不信感が生まれ、より希望に合う条件の企業へ転職するきっかけになる場合があります。
こうしたミスマッチを防ぐためにも、選考段階から給与体系や昇給・賞与の条件、評価制度などを具体的に説明しておきましょう。
原因④|労働時間・休日などの働き方が希望と合っていない
残業時間や休日出勤、勤務時間など、働き方に関する条件が入社前のイメージと異なることも早期離職の原因になります。特に、求人票や面接で説明された労働条件と、入社後の実際の働き方に差がある場合は注意が必要です。
- 想定していたよりも残業時間が多い
- 休日出勤が頻繁に発生する
- 希望していた勤務時間や働き方と異なる
希望する働き方とのギャップが続けば、仕事と私生活を両立することが難しくなり、転職を検討する要因になり得ます。そのため、採用時には労働条件だけでなく、残業時間や休日出勤の状況など、入社後の働き方を具体的に伝えることが大切です。
原因⑤|入社後の教育・フォロー体制が十分でない
入社後の研修やOJT、フォロー体制が十分に整っていないことも、早期離職につながる原因です。業務に必要な知識を身につける機会がないまま実務を任されると、中途社員は「仕事についていけない」「自分には向いていない」と感じやすくなります。
本人の能力に問題がなくても、十分なサポートを受けられないことで自信を失い、離職を検討するケースも考えられます。入社時研修やOJTの内容を整備するとともに、定期的な面談などを実施し、中途社員の不安や悩みを早期に把握できるフォロー体制を構築しましょう。
早期離職が企業に与える影響

早期離職を放置すると、企業にはさまざまな悪影響が及びます。ここでは早期離職が企業に与える影響を3つ紹介します。
影響①|採用・教育コストの損失
一人の従業員を採用するには、求人広告費や人材紹介会社への手数料だけでなく、求人票の作成や書類選考、面接などを担当する社員の人件費も発生します。こうしたコストをかけて採用・育成した従業員が短期間で離職すると、投じた費用や時間を十分に回収できない可能性があります。
また、欠員を補充するために新たな採用活動が必要となれば、求人の掲載や選考、入社後の教育などに、再び時間やコストをかけなければなりません。早期離職が繰り返されるほど採用・教育にかかる負担も大きくなるため、人材の定着はコスト面から見ても重要な課題といえます。
以下の記事では、人材紹介を利用して採用した人材が早期離職した場合の返金規定や、返金額の相場について解説しているので、あわせてご覧ください。
影響②|既存社員の負担増とさらなる離職リスク
従業員が早期離職すると、既存社員の業務負担が増え、さらなる離職につながる可能性があります。
後任者が決まるまでの間は、離職者が担当していた業務を既存社員で分担しなければなりません。特に少人数のチームや人手不足の部署では、一人の欠員でも一人ひとりの業務量が大きく増える可能性があります。
また、新たな人材を採用した後も、既存社員が通常業務と並行して引き継ぎや教育を担当するケースがあります。こうした状態が続くと、残業時間の増加や休暇を取得しにくい状況につながり、既存社員の不満や疲労が蓄積しかねません。
その結果、既存社員まで離職を検討するようになり、さらなる人手不足を招くおそれがあります。
影響③|採用力や企業への信頼が低下する可能性
早期離職が繰り返されると、企業のイメージダウンにもつながるおそれがあります。離職に関する情報が口コミサイトやSNSなどを通じて、求職者に伝わるからです。
「入社してもすぐに辞める人が多い」「求人情報と実態にギャップがある」といった情報が広がれば、応募をためらう求職者が出てくる可能性があります。その結果、応募者が集まりにくくなったり、自社が求める人材を確保しづらくなったりすることも考えられます。
早期離職は退職した本人や所属部署だけの問題ではなく、その後の採用活動にも影響を及ぼす可能性があるため、継続的な対策が不可欠です。
【時期別】早期離職を防ぐための対策

早期離職を防ぐためには、採用段階から入社後の継続的なフォローまで、時期に応じた対策が欠かせません。ここでは10個の対策を、時系列に沿って紹介します。
採用段階|仕事内容や労働条件を具体的に伝える
採用段階では、仕事内容や労働条件について具体的かつ正確に伝えましょう。入社前に抱いていたイメージと実態の差が大きいほど、「想像していた仕事と違った」と感じ、早期離職につながる可能性があるためです。
求人票や面接では、担当する業務や勤務時間、残業・休日出勤の有無、配属先など、入社後の働き方をできる限り具体的に説明します。また、良い面だけを強調するのではなく、仕事の難しさや繁忙期の状況なども伝えておくことが大切です。
こうした情報を事前に共有することで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
採用段階|職務・働き方・キャリア志向の適合性を確認する
採用段階では、スキルや経験だけでなく、候補者の希望する働き方やキャリアと、自社が提供できる環境が合っているかを確認することが重要です。業務を遂行する能力が十分でも、本人の希望と仕事内容が合わなければ、入社後の不満につながる可能性があります。
面接では「今後どのような仕事に挑戦したいか」「働くうえで何を重視しているか」などを確認し、職務内容や働き方、キャリアパスとの適合性を見極めます。同時に、企業側も求める人物像や任せる業務を明確にしておくことが大切です。
採用段階で双方の認識をすり合わせることで、入社後に「思っていた仕事と違う」と感じるリスクを抑えやすくなります。
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内定後~入社前|内定者との接点を継続的に設ける
内定後は、入社まで内定者との接点を継続的に設けることが重要です。内定から入社までに期間が空くと、「この会社を選んでよかったのか」「入社後に馴染めるのか」といった不安が生じる場合があります。
内定者懇親会や職場見学、同世代社員との交流などを取り入れると、入社後の働き方や職場の雰囲気をイメージしてもらいやすくなります。また、入社後の不安を軽減するためにも、入社までに準備すべきことや今後のスケジュールを共有しておきましょう。
ただし、連絡の頻度が高すぎるとかえって負担になる可能性もあるため、内定者の状況を確認しながら適切な頻度でフォローすることが大切です。
以下の記事では、採用業務を効率化する方法について解説しています。採用担当者の業務負担を軽減したい方は、あわせてご覧ください。
入社直後|オンボーディング・研修を実施する
入社直後は、業務に必要な知識や社内ルールを段階的に習得できるオンボーディング・研修を実施しましょう。十分な説明がないまま実務を任せると、「仕事についていけない」と不安を感じ、自信を失う原因になりかねません。
研修では、業界・商品に関する知識や業務の進め方だけでなく、社内システムの使い方、各部署の役割、社内ルールなども伝えます。また、最初からすべての業務を任せるのではなく、習熟度を確認しながら担当範囲を広げていくことも大切です。
さらに、同期や先輩社員と交流する機会を設ければ、社内での人間関係を築きやすくなります。業務面と人間関係の両方から職場への適応を支援することが、早期離職の防止につながります。
入社直後|メンター制度など相談しやすい環境を整える
入社直後は、業務上の疑問や職場での悩みを気軽に相談できる環境を整えることも大切です。中途社員が疑問や不安を一人で抱え込むのを防ぐためです。
対策として、直属の上司とは別の先輩社員が中途社員をサポートするメンター制度を導入する方法があります。業務だけでなく、人間関係や職場への馴染み方などについても相談できる相手を明確にしておけば、孤立を防ぎやすくなります。
一方で、メンター役に負担が集中すると制度を継続しにくくなるため、役割や面談頻度をあらかじめ決め、メンター側への研修やフォローも用意しましょう。
入社直後~半年|1on1や定期面談を実施する
入社直後から半年程度は、直属の上司や人事担当者が1on1や定期面談を実施しましょう。日々の業務だけでは、人間関係の悩みやキャリアへの不安まで把握できるとは限らないためです。
面談では、業務の進捗だけでなく、「困っていることはないか」「入社前後でギャップを感じている点はないか」などを確認します。直属の上司には相談しにくい内容もあるため、必要に応じて人事担当者が面談する機会を設けることも有効です。
定期的な対話を通じて小さな違和感や不満を早期に把握できれば、配置や業務量、人間関係などを見直し、離職に至る前に対応しやすくなります。
入社半年以降|中長期的なキャリアを描けるよう支援する
入社から一定期間が経過した従業員には、自社での中長期的なキャリアを描けるよう支援することが大切です。仕事に慣れてきても、「この会社で働き続けてどのようなキャリアを築けるのか」が見えなければ、将来への不安から転職を検討する可能性があります。
上司とのキャリア面談や研修などを通じて、本人が希望する仕事や身につけたいスキル、将来目指したいポジションなどを把握しましょう。そのうえで、昇進・昇格の基準や社内で選択できるキャリア、必要となる経験・スキルなどを共有します。
本人の希望をすべて実現できるとは限りませんが、自社で目指せる将来像を具体的に示すことが、働き続ける動機づけにつながります。
入社半年以降|上司のマネジメント力を高める
早期離職を防ぐためには、上司のマネジメント力を高めることも欠かせません。日常的に接する上司の指導方法やコミュニケーションは、部下の働きやすさや仕事への意欲に影響するためです。
具体的には、以下のような取り組みが効果的です。
- 管理職向けのマネジメント研修を実施する
- 1on1やフィードバックの方法を学ぶ機会を設ける
- 部下とのコミュニケーションや指導方法について定期的に振り返る
こうした取り組みを通じて、上司が部下の状況に応じた指導やコミュニケーションを取れるようになれば、悩みや不満を早期に把握しやすくなります。
継続的|労働環境や人事制度を見直す
早期離職を継続的に防ぐには、労働環境や人事制度そのものを定期的に見直す必要があります。個々の従業員へのフォローを充実させても、長時間労働や不透明な評価制度など、離職につながる根本的な課題が残っていれば十分な改善は期待できません。
残業時間や有給休暇の取得状況、給与・手当、評価制度などを確認し、従業員の不満につながる課題を把握します。また、退職者へのヒアリングから共通する離職理由を分析することも有効です。
把握した課題に応じて優先順位をつけて改善することで、従業員が長く働き続けられる環境を整えることができます。
継続的|従業員サーベイなどで組織課題と定着リスクを把握する
早期離職を防ぐには、従業員サーベイ(従業員の満足度や職場環境などを把握するための調査)を活用し、組織が抱える課題や定着リスクを継続的に把握しましょう。個別面談だけでは、部署や職種ごとに共通している問題を見落とす可能性があるためです。
従業員満足度や仕事への意欲、上司との関係、業務量、職場環境などについて定期的に確認すれば、組織全体の傾向を把握しやすくなります。例えば、特定の部署だけ満足度が低下している場合には、業務量やマネジメントなどに課題がないかを確認するきっかけになります。
調査結果から課題を明確にしたうえで改善策に取り組み、その効果を定期的に検証しながら、職場環境の改善を続けましょう。
まとめ|早期離職対策は採用段階と入社後の定着支援を一体で進める

早期離職は、仕事内容や労働条件のミスマッチ、人間関係、教育・フォロー体制不足など、さまざまな原因によって発生します。
早期離職を防ぐためには、採用時に仕事内容や労働条件を正確に伝え、自社と候補者のミスマッチを減らすことが重要です。また、入社後も研修や定期面談、相談しやすい環境づくりなどを通じて、従業員が抱える不安や悩みを早期に把握する必要があります。
採用から入社後まで継続して対策し、従業員が長く働きやすい環境を整えることが、早期離職の防止につながります。
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