
派遣社員を受け入れる流れ・準備を紹介|ルール・注意点までわかりやすく解説
「派遣社員を受け入れることになったが、何から準備すればいいかわからない」
「法律上のルールや禁止事項に違反しないか不安」
このように悩まれていませんか?
派遣社員の受け入れを成功させるには、事前のマニュアル整備や社内周知といった準備にくわえ、当日のスムーズな対応が不可欠です。万が一準備が不足していると、早期離職や法律違反などの思わぬトラブルにつながる恐れもあります。
本記事では、派遣社員を受け入れるまでの流れを5つのステップでわかりやすく解説します。事前に準備すべき項目から、法律上のルール・注意点まで網羅しているので、ぜひ参考にしてください。
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派遣社員を受け入れるまでの流れを5つのステップで解説
ここでは、派遣社員を受け入れるプロセスを5つのステップに分けて解説します。
ステップ①|受け入れ目的・業務内容を整理する
派遣社員を受け入れる際は、まず「なぜ派遣社員が必要なのか」という目的と、任せる業務内容を明確にしましょう。受け入れの背景や業務範囲が曖昧なままでは、求める人物像が定まらず、就業後のミスマッチを引き起こす原因になるからです。
例えば、「一時的な繁忙期の人手不足を解消したい」のか、「社内に不足している専門スキルをカバーしたい」のかによって、必要な経験やスキルは異なります。どのような業務を、週に何日、どの時間帯で任せたいのかを具体的に洗い出してみてください。
加えて、必須スキルと歓迎スキルを分けておくとさらに効果的です。事前に要件を整理しておくことで、派遣会社とのやり取りがスムーズになり、自社の課題解決に直結する人材を確保しやすくなります。
ステップ②|派遣会社へ求人条件を伝える
目的と業務内容が固まったら、派遣会社へ求人条件を詳細に伝えます。
具体的には、担当する業務内容や実務経験、就業時間、契約期間などを漏れなく共有しましょう。ただし、派遣先が「20代の人」「女性の人」など、年齢や性別を指定して派遣社員を選ぶことは原則として認められていません。
依頼先の派遣会社を選ぶ際は、労働者派遣事業の許可番号があるか、優良派遣事業者に認定されているかも確認してください。
ステップ③|候補者の紹介を受けて顔合わせをする
派遣会社から自社に合った候補者の紹介を受けたら、必要に応じて顔合わせ(職場見学)を実施します。実際の職場環境を見てもらい、業務内容の認識を合わせることで、就業開始後のトラブルを未然に防げます。
このとき気をつけたいのは、派遣先企業が候補者に対して履歴書の提出を求めたり、採用目的の面接をしたりすることは、法律で禁止されている点です。職場見学は、あくまで派遣社員側が希望した場合にのみ実施できます。
ただし、将来的な直接雇用を前提とした「紹介予定派遣」を利用する場合に限っては、例外的に事前面接や書類選考が認められています。
ステップ④|派遣契約を締結する
人材が決定したら、派遣会社との間で労働者派遣契約を締結します。契約時には、派遣期間や業務内容、派遣料金などの条件を明確に定めましょう。
また、派遣社員への業務指示を行う「指揮命令者」や、受け入れ管理を担う「派遣先責任者」、苦情等の申出先を選任・設定する必要があります。
さらに、受け入れ可能な期限である「派遣可能期間の抵触日」を派遣会社へ事前に通知しなければなりません。万が一、契約途中で解除する場合に備え、派遣社員の新たな就業機会の確保といった中途解除時の措置も忘れずに記載してください。
後の労使トラブルを防ぐためにも、必須項目に漏れがないか契約内容を細部まで確認したうえで契約を結びましょう。
ステップ⑤|受け入れ準備をして勤務を開始する
契約が無事に結ばれたら、派遣社員がスムーズに働き始められるように受け入れ準備を進めます。
具体的な準備としては、パソコンやIDカードなどの業務環境の整備や、マニュアルの作成などが挙げられます。また、初日を迎える前に「いつ、どんな人が来て、何の業務を担当するのか」を既存の社員へ周知しておく状態が理想的です。
備品の用意だけでなく、社内の受け入れ体制や雰囲気づくりを整えましょう。
派遣社員を受け入れる前に準備すること

ここでは、マニュアル作成から環境整備まで、担当者が初日までに整えておくべき5つの準備事項について詳しく解説します。
準備①|任せる業務の棚卸しとマニュアル整備
派遣社員を迎えるにあたり、まずは任せる業務の具体的な棚卸しとマニュアルの整備をしましょう。業務範囲と手順を明確にしておくことで、契約外の作業を依頼してしまうトラブルを防げるからです。
具体的には、前任者や現場の担当者から引き継ぐべきタスクを細かくリストアップし、それが派遣契約の範囲内に収まっているかを照合します。また、口頭での指示だけでは業務が属人化しやすいため、作業手順書やシステムの操作マニュアルを作成しておくことが大切です。
業務内容や手順を誰でも理解できる形に整理しておくことで、派遣社員が不安なくスムーズに実務へ入れるようになります。
準備②|受け入れの社内周知
派遣社員が配属されることについて、事前に社内へ周知しましょう。現場の従業員が受け入れの事実や業務内容を把握していないと、派遣社員が孤立感や不安を抱く原因になるからです。
周知する範囲は、配属される部署だけでなく、日常的に関わる可能性のある関連部署も含めるようにしてください。派遣社員の氏名や着任日、担当する業務の範囲にくわえ、勤務時間や残業対応の可否なども共有しておきます。
周囲が契約内容を理解していれば、直接雇用の社員と同じように無断で残業を頼んでしまうといったミスも起こりません。
準備③|指揮命令系統の明確化
派遣社員を受け入れる際は、業務上の指示をする「指揮命令者」を明確にするとともに、労働者派遣法第41条に基づいて「派遣先責任者」「苦情申出先」を選任する必要があります。指揮命令者は日々の業務指示やサポートをし、派遣先責任者は労働環境の整備や派遣会社との交渉窓口を担う役割です。
また、指揮命令者が不在になる場合に備え、代理で指示を出す担当者もあらかじめ決めておくことが求められます。指揮系統を一本化して相談窓口をはっきりさせておくことで、業務の停滞を防ぎ、安心できる就業環境を提供できます。
準備④|業務環境の整備
派遣社員がスムーズに実務を始められるように、必要な業務環境を漏れなく整えておくことが大切です。具体的には、以下のような準備を進めておきましょう。
準備項目 | 具体的な内容 |
勤務初日から業務に集中できるよう、必要な設備やアカウントは事前に準備しておきましょう。
準備⑤|社内手続き
業務環境の整備とあわせて、総務や人事部門が関わる社内手続きも前もって進めます。
具体的に準備すべき項目としては、オフィスへの入館証や社員証(IDカード)の発行申請が挙げられます。また、社内ネットワークやプリンター、複合機を利用するための設定手続きも事前に済ませておくべきタスクです。
出退勤を記録するための勤怠管理システムについては、アカウントの付与だけでなく入力方法をまとめた説明資料も必要です。こうした事務的な手続きを初日までに完了させておくことで、派遣社員がストレスを感じず安心して働ける土台をつくれます。
派遣社員を受け入れる日の流れ

派遣社員を受け入れる日の流れを確認していきましょう。
特に業務内容については、派遣契約で定められた範囲と実際に担当してもらう業務に相違がないか確認することが大切です。認識にズレがある場合は、そのまま業務を依頼せず、派遣元の担当者へ確認しましょう。
派遣社員を受け入れる際に押さえておきたいルール

ここでは、安全かつ適切な派遣契約を結ぶために、担当者が最低限押さえておくべき3つのルールを解説します。
ルール①|受け入れ期間には上限がある
派遣社員の受け入れ期間は、原則として最長3年までと法律で定められています。
期間の制限には、企業側の「事業所単位」と、派遣労働者側の「個人単位」の2種類が存在します。どちらも上限は3年ですが、事業所単位の期間を延長したい場合は、抵触日の1ヶ月前までに過半数労働組合などへの意見聴取が必須です。
一方で、派遣会社と無期雇用契約を結んでいる方や60歳以上の方、期間が明確な有期プロジェクト業務などに従事する場合は、この期間制限の例外となります。上限を超えた違法な受け入れを防ぐためにも、期間管理のルールや例外規定を正確に把握しましょう。
ルール②|事前面接・特定行為は禁止されている
派遣社員を受け入れる際、企業側が事前面接をするなど、派遣される個人を特定する行為は法律で禁止されています。派遣先企業と派遣社員の間には直接の雇用関係がなく、誰を派遣するかを決定する権限は雇用主である派遣会社にあるからです。
具体的には、候補者に対して履歴書の提出を求めたり、年齢や性別を指定したりする行為が労働者派遣法によって禁じられています。就業前の職場見学は実施可能であるものの、あくまで派遣社員側が希望した場合にのみ行える制度です。
ただし、将来的な直接雇用を前提とする「紹介予定派遣」を利用する場合に限り、例外として事前面接や書類選考が認められています。
ルール③|派遣先責任者の選任が義務付けられている
派遣社員を受け入れる企業は、労働者派遣法により「派遣先責任者」を選任することが義務付けられています。
派遣先責任者の主な役割は、派遣先管理台帳の作成や保管、派遣社員からの苦情対応、指揮命令者への適切な助言など多岐にわたります。選任基準としては、派遣社員100人につき1名以上の配置が求められており、他の事業所との兼任はできません。
また、労働関係の法令について一定の知識を持ち、社内の人事労務管理に精通した人物を任命することが推奨されています。
派遣社員を受け入れる際の注意点

ここでは、就業開始後に現場で起こりがちなトラブルを防ぐための2つの注意点を解説します。
注意点①|曖昧な指示を避ける
派遣社員へ業務を依頼する際は、曖昧な表現を避け、具体的でわかりやすい指示を出すよう徹底してください。感覚的な指示は、混乱やミスの原因になるからです。
業務を頼むときは、作業の目的や背景だけでなく、優先順位や明確な納期までセットで伝えるようにしましょう。また、指示を出す「指揮命令者」を固定し、複数の社員から異なる指示が飛んでしまう事態を防ぐ工夫も求められます。
明確な指示出しと質問しやすいサポート体制を整えることで、派遣社員は安心して業務に集中できるようになります。
注意点②|正社員と必要以上に区別しない
派遣社員に対して、直接雇用の正社員と必要以上に区別をつけたり、疎外感を与えたりするような対応は避けましょう。雇用形態の違いを理由に不公平な扱いを受けてしまうと、派遣社員の仕事への意欲や職場への定着率が低下するからです。
例えば、食堂や休憩室、更衣室といった福利厚生施設については、派遣社員にも正社員と同じように利用機会を提供します。また、定期的な声かけやフィードバックの場を設けるといった心理的な配慮も欠かせません。
会議やチームの打ち合わせにも必要に応じて参加してもらうと、帰属意識の向上につながります。
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まとめ|派遣社員を受け入れる流れと準備を押さえよう

今回は、派遣社員を受け入れる際の流れや事前の準備、知っておくべき法律上のルールについて解説しました。
受け入れをスムーズに進めるためには、任せる業務の棚卸しやマニュアルの整備、そして社内への周知といった入念な事前準備が欠かせません。また、派遣期間の上限や事前面接の禁止など、法律で定められたルールを正しく理解し、遵守することが大切です。
ぜひ本記事を参考に、万全の準備を進めてみてください。なお、即戦力となる人材を安心して受け入れたい企業様は、ぜひANAビジネスソリューションへご相談ください。







